アーティストインタビュー伊藤ふみお

スペシャル企画〜アーティストインタビュー〜

二人で並んで 「ごみ」という言葉を聞くと、ネガティブなイメージを持つ人が多いのではないか。そんな「ごみ」問題を、若者達が楽しく、おもしろく、そして真剣に取り組んでいく活動がごみゼロナビゲーション。そんな姿勢はKEMURIのPMA(Positive Mental Attitude=肯定的精神姿勢)と共通の部分がある!? KEMURIの伊藤ふみお氏のPMA精神に迫る。

KEMURI・伊藤ふみおさん(以下“ふ”)

ごみゼロナビゲーション統括責任者・羽仁カンタ(以下“カ”)

音楽を始めたきっかけ

ふ:大学時代までずっとサッカーばかりやっていた。個人競技じゃなく、チームワークで何かをやることが好きだった。それと共通していたのがバンド。年に一回、友達とライブをやっていたりしたくらいだったけれど、当時バンドブームというのがあって、みんなで何か盛り上がるイカ天バンドとか。この人達がいけるなら俺もいけるだろうと。バブル時代もピークだったから、うまくいくだろうと思って。そんないい加減な理由で始めました。本格的にやろうと思ったのは23歳。 その時、体育会系って好きなところに就職できたから、ある意味安易な人生を歩もうとしている友達に向かって、何かを投げかけたかったのかな。

カ:それで音楽初めて、最初から日本でKEMURIっていうバンドをやっていたの?

ふ:パニーノっていうバンドを大学卒業してすぐ始めて。四年ぐらいやってCD出して解散して。1回音楽はもういいやって思って違う仕事してたんですけど、このまま日本にいてもしょうがないなって思ってアメリカに住もうと思って。それで94年ぐらいに決めて。アメリカに行くんならなんか自分の名刺代わりになるものを作ろうと。それで音楽もう一回やってみようかなと思いデモテープつくって。それがKEMURIのきっかけ。

カ:KEMURIと出会ったのは、98年のFUJI ROCK FESTIVALで、TOWER RECORDS企画のポスター撮影のことだったよね。

ふ:アメリカでライブツアーをやっていたんです。そのツアーの終わりに77daysというアルバムを録音した。そのアルバムを日本でリリースする前に、98年のフジロックに出演したんです。97年99年と去年の3回以外は全部ださせてもらっているんです。

カ:フジロックゆかりのアーティストですよね

ふ:そうですね、地味に。笑

カ:僕らもある意味フジロックと一緒に成長して来た。僕ら94年にこの活動始めているんですけど、フジロックを98年にやったことによって切磋琢磨してったし、逆に他のフェスからも依頼をうけるようになったのはフジロックを始めたから。そして僕らもどんどん進化していって、ほんとにボランティアが支えている活動です。フジロックの成長がアシードジャパンの成長でもあるというか。

ふ:羽仁君と昔話になると必ずそういう話になるけど、いろんな人にとってフジロックという場は大きな意味をもつ場なんじゃないですかね。

伊藤ふみお

伊藤ふみお(いとうふみお)

KEMURIとは...
"P.M.A."(positive mental attitude=肯定的精神姿勢)をバンドの哲学としています。それぞれのPMA(positive mental attitude=肯定的精神姿勢)に基づいて音楽を愛し、 楽しんでいこうとしているバンドです。

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環境×人間

伊藤ふみお4カ:2001年にアフガニスタンのテロ事件が起こって、僕は平和的なことをやろうと動き出している時で、そこでふみお君と再会して、この話で議論した覚えがあるよ。

ふ:基本的に環境に大きな影響を及ぼしているのは人間。その人間生活に影響を及ぼしているのは教育だと思っている。いい地球を作るという人間の共通意識が微妙に機能してない。自分は一人じゃ存在しない、誰かに無償の愛を与えてもらった期間が誰にでもあるから、今ここに存在しているっていうことをどこか忘れがち。非常に独善的な自分勝手さというか。社会と切り離して、みんなご都合主義。それがなにかあまりにも横行している気がする。

カ:kEMURIの歌詞にも、そういったメッセージが入ってますよね

ふ:最近思うのはね、競争主義・物質主義とか、そういった学者が作ったような言葉をいたずらに否定したりするのはどうなんだろうって気はしていて。だから自分には何ができるんだろうと考えて、小さなところからはじめようと思う。人がいないと全てはどうにもならないから、まぁできるだけ子供をちゃんと育てようっていう意識は非常にある。

カ:お子さんいるの?

ふ:こないだ2歳になった子がいます。うちは幸い子供に恵まれたから、ちゃんとこの子を愛そう、育てようっていうのを、家族で協力するっていうことを、やろうと思っている。余談ですけど、子どもが生まれて一番元気になったのはおばあちゃん。思いもよらないところでエネルギーが生まれてくる。そのエネルギーの生まれ方が非常にいいなぁと思うから。なんかそれもすごく新鮮だし、こうすればああなるってもんじゃないんだよね。やっぱり。

カ:子どもができてそういう視点で、よりものを考えるようになったの?

ふ:もちろんそれはやっぱり全然違う視点があるんだっていうことを、いろんなとこに影響があるんだってことを学んだね。

KEMURI的チャリティライブ

ふ:今年はアジアの子供たちのためにできることを、とゆうテーマでやります。今年3回目なんですけど。毎年テーマが違って、初年度は中越大震災、200万円のうち20万円の現金を災害本部に寄付して。残り80万円で仮設住宅の被災してるお年寄りたちに、新潟の和服屋さんを通じて「YOU GOちゃんちゃんこ」っていうのを作って。YOU GOっていうチャリティーライブ名なんです。融合と掛けてね。色々異質なものが融合するみたいな。お前もいってくれ!という意味もあり。それを初年度にやりました。

カ:そのイベントも今年最後になっちゃうってことですか?

ふ:まぁKEMURIの出演は最後ですね。僕はどういう風に関わるかは未定なんだけど。続けてもらいたいですね。

カ:ふみおさんはKEMURIの活動終了後はどうするの?。

ふ:僕は全然具体的には動いてないですけど、日本のアーティストが日本から活動の場を海外とかにも広げられるような、プラットフォーム作りに協力したい。レーベルなのかエージェントなのかイベントなのかわからないけど、そういう活動を裏方としてやっていきたいなと。

10年を振り返って

伊藤ふみお4

ふ:今まで出てたイベントの後のごみが多くて、チラシやごみが散乱していた。そこからまずごみ少なくしようってメッセージを投げかけていって。ASJに出会ったときは、こういう活動していて素晴らしいなと。それで今はだいぶきれいですけどね。うちのライブ会場は。みんなごみ拾って自分で捨てるから。

カ:ずいぶん変わりましたよね?客観的に、ふみおさんの目にはどううつっていますか?

ふ:昔はただ暴れたいから暴れて、人のことなんかどうでもいいって感じで。今はほんとに助け合うみたいな状況になってるしね。激しくみんなが暴れるようなライブでも。そういうことも含めて、来たときと同じ状況にしてかえすと。それをお客さんにも協力してもらってやろうっていう風になってるよね。それが本来は当たり前。

カ:なんか協力しあうみたいな動きになってきてるってこと?ごみだけじゃなくて。

ふ:まぁ自分さえ良ければっていうか、当時はそういうもんだったんだよね、常識が。誰も何も言わなかった。ただ、アシードを羽仁君とかが始めて、ごみはごみ箱で分別して下さいって。ごみは資源なんですってことを伝えたっていうか

来場者は蜜バチの役割?!

カ:僕らが活動していないイベントにもたくさん出演していますよね?」

ふ:ASJがいないイベントでも、ASJがいるイベントに行ったことがあるお客さんは、それはもうミツバチがさ、いろんな花のとこいって花粉持って来て、いろんな花に受粉して花開かせるようなもんだよね。やっぱりミツバチの役割しているのはお客さんだから。彼らの存在なくしてはね、協力者なくしては定着は果たせないと思います。そういう状況の中で、難しい環境問題に対して自分が何かやれば、そこはきれいになるっていうようなわかりやすい切り口が増えたのがこの10年じゃないかなって。

カ:ごみゼロボランティアをやったのは2003年くらいだと思うんですけど、朝のボランティアにまぎれて活動をしてくれたと思うんですけど、やって感じたこととか覚えてます?それなりに衝撃的でしたよね、あんなことやったことないし。

ふ:覚えてますよ。若者たちが一生懸命活動しているのを見て本当に感動した。

カ:朝の5時半くらいにみんな起きて来てね。

ふ:そう、羽仁君とかもさ、夜遅くまで…朝早いだけじゃないじゃないみんな。まぁちょっと昔の言い方だけど3Kだよね、きつい汚いくさい。それをみんな明るくやって、何かその場を良くしようって。積極的に楽しもうとしている。それが素晴らしいと思った。

カ:普通の人がやりたくないようなことをうちらがやってて。でも楽しそうに…楽しいんだけど実際。それがうちらの変わった所だなって思うんだけど。

ふ:昨年はASJのボランティアで参加して、今年はお客さんでフジロックに来てくれた人がいると思うと、いいライブやらなくちゃなと。その経験があったからこそ思えること。

ボランティアへのメッセージ

カ:最後にメッセージをお願いします。

ふ:なんかさ、ライブに行くってことも、ボランティアやってみようってことも、なにかの思いつきで、チャレンジっていうよりはトライアルだよね。経験をつむってことだよね、やっぱどんどんトライしてもらいたいと思うし。で、なぜトライするかって言うのをできればわかってやってもらえたら素晴らしいなと思う。

それは、今回のアルバムにも通じることなんですけど、僕もやっぱり夢を持って生きてるし、これからも生きていきたいし、KEMURI活動終了した後も。若い人達・これから社会に行くための準備をしてる人達に是非やっぱり夢を持ってもらいたいし、自分を信じてすすんでもらいたい。いろんなこと真に受けないで、いいことも悪いことも軽く受け流してすすんでもらいたいし、そしてなによりも、できる限り生き続けてもらいたいし。大きくその4つです今回のメッセージは。


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